フィルムカメラで撮る写真|impermeable photographie

konishiroku pearl IIについて

2012/11/01
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1951年1月発売と調べたら出てきた(どれが正解なのかわからないけど、たぶん1951年…)。祖父が子供を撮るために買ったと思われるカメラ。その祖父は私が産まれる1年前に亡くなってしまったので、初孫に会えず旅立ってしまった。会ったことのない祖父だが、カメラは私の手元にある。なんだかとても不思議な気持ちになる。
父は祖父の遺品の切手やらカメラやら若い頃売ってしまったらしいのだが、このカメラは自分が登山のときに持ち運びやすいからという理由で残していたとのこと。ピントは目測なので、確かに風景を撮ったりする方が良さそう。父がそのように使っていたのもわかる。が、しかし父の子供時代のアルバムを見ると、祖父は子供(時代の父)をこのカメラで撮っているのである。しかも上手い…ピントちゃんと合ってるっ…!普段ハッセルやローライのがっつりでっかいファインダー除いてピント合わせ失敗している自分は恥ずかしくなる。50年以上前のフィルムの高価さなんて、今からは想像できないのに、写真からは撮っている祖父が楽しそうにしていることも感じられる。子供の写真を残せる喜び。
ブローニーフィルムで撮った写真の面白さはこのカメラが教えてくれた。6×4.5で16枚。気をつけないと多重露光を量産してしまうし、ピントも合わせにくい(目測)カメラなので、ハッセルを買った後、しまいこんでしまっていた。でも渡部さとるさんの「旅するカメラ」を読んだから、このカメラで子供を撮ろうかなという気持ちになって、また手に取ってみた。本当は両親と祖母も一緒に撮ってみたいのだけど、「撮らせて」と恥ずかしくてまだ言えない。言えないうちにいなくなってしまうかもしれないってわかっているのだけども、言えない。

Inokashira park shinjuku shinjuku

プリントからのスキャンかつ古いスキャナ使用なので、あまり綺麗じゃないけども4年前に撮った写真。35mmとデジタルカメラしか使ったことのなかった自分には衝撃的だった。
というか、目測で概算の距離で撮るのだと思っていたのだけど、微妙にファインダーでピント合わせができることに気がついた…しかしわかりにくくて、目が疲れる…よ…。祖父はきっとf8ぐらい絞ってたんだろう。きっとそうだ。

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