フィルムカメラで撮る写真|impermeable photographie

川内倫子「SHEETS」

2014/03/03
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川内倫子さんのコンタクトシート(ベタ焼き)を集めて作品にした「SHEETS」。
私にとっての写真というものはプリントで見るのが好きで、特に大きく引き延ばしたものとコンタクトシートが大好きです。
ベタを見ると66のウェストレベルファインダーでのぞて撮っているときのような大きさで同じように上からのぞきこんでいて、まさに被写体ともう一度向き合っているような気持ちになります。
ルーペを使って見ると、撮ったときに気がつかなかったことがわかって、さらに楽しい。(そして大きくプリントしてそれが明確化される!→さらに楽しい!やみつき!たまらない!)

「SHEETS」の見開きサイズは120フィルムのコンタクトシートとほぼ同等のサイズです。そしてその中には観音開きページがあります。その観音開きページはベタを大きく拡大されたものが写っています。これは川内さんが「ルーペで拡大して写真をみていることを追体験してもらう仕掛け」とおっしゃっていて、それゆえに写真のコマの上下にあるフィルムの銘柄などの文字がそのまま写っています。
トークショーでその話を聞いたとき、面白い!この本は買うしかないじゃないか!と思ったのでした。

そしてこの本を読むたびにトークショーの言葉を思い出します。

「失敗写真」というものはない
撮りたかったものが撮れてないという意味での「失敗写真」はあるかもしれないけれども、それでもそのときが写っている。
 
コンタクトシートから時間を感じる。

私が言ったら言い訳にしかならなさそうな言葉に説得力があり、写真を包み込む力の強さと大きさを感じるのでした。そして私がコンタクトシートが好きな理由が明確になりました。作り上げていくのも写真だし、偶然性を味わうのも写真で、その過程全てが写真で、コンタクトシートはその道なのかなぁと。
いい写真を撮りたいと思いつつ「いい写真」ってなんだろう?と考えたり悩んだりするなかで、この全ての流れを受け入れる感じは雄大で、写真を撮ることを全部丸ごと肯定できて本当にすごい。だから川内さんの写真はいろいろな感情をすくってくれるような感じがして、私はとても憧れていて尊敬しています。

写真集の感想は文章にするのが難しくてなかなか思うように書けなくて、何度も何度も読み返し、書き足し書き直しいている。
最終的には「オススメ!」ということなので、ぜひ手にとってみて欲しいという、それだけのことなんだけども。

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amazonの画像だと文字が白抜きになっていますが、本物は上記写真のような箔押しです。これがまたかっこいいです。(←写真が変わって箔押しの写真になっています!)

トークショーの一部がIMA ONLINEでまとまっています。
川内倫子 『SHEETS』|川内倫子の最新写真集の発売を記念したトークショーより。
花椿のインタビューもよかったです!
写真家・川内倫子さんに新刊『SHEETS』についてお伺いしました!

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