フィルムカメラで撮る写真|impermeable photographie

上田義彦「A Life with Camera」

2015/06/09
  /

先日行ってきました、上田義彦「A Life with Camera」。Gallery916は2014年の野口里佳さんの個展で初めて行ったときにすごくすごく素敵なギャラリーだと思ったので(行ったことある方ならわかると思うのですが、あのエレベーターがガタンガタンいうところから、風でキィキィなる無骨な窓から光が緩やかに差し込む…という気持ちのよさ。)、そこで大好きな上田義彦さんの展示とのことでテンションが上がり、ほぼ日の「写真にドキドキし続けている」を読んでさらにワクワク…

私にとっての上田義彦さんのイメージである端正で丁寧で研ぎ澄まされた写真は様々な形式で額装され、サイズもいろいろで、ランダムに飾ってあるような感じがしたのですが、ランダムなのか計算なのか、額はなぜこれを使っているのか?厚いマットなのはなぜか?なんてことを考えながら見てしまいました。

私は写真を展示するようになってから、写真の展示方法というものについて考えるようになりました。マットという単語も知らなかったので、最初は木製パネルでなるべく大きくドーン!が最高と思っていたのですが、展示を何度か経験し、いろいろな展示に足を運ぶようになって、やっと額とマットのもたらすイメージというものの大切さを実感できるようになりました。マットの厚み、色、切られている角度。額と写真のサイズのバランス。額そのもののスタイルや厚み。ガラスの有無。額装して写真を展示することは、まさに仕上げなんだってやっと実感できるようになりました。
そしてこの展示は上田義彦さんが35年間撮り続けてきた写真は様々なスタイルのものだから、額も写真のサイズもいろいろで、全部全部全部が上田義彦さんということでこのような形式での展示なのだと思ったらいろいろ腑に落ちたのですが解釈としてあっているのだろうか…。

250点以上の作品のなかで、印象的だったのは家族のポートレイトとグラスにチューリップがささっていいる写真でした。「いけてある」ではなくて「ささっている」というような、すごく何気ない感じがするのに、絶対そんなんじゃない何かが写っているような感じ…たまらないです。
それと知らず知らずのうちにCMで上田義彦さんに接していたんだなーとビックリしました。知らない広告多かったです!烏龍茶のシリーズ大好き。

このブログ記事を書いている6月中旬から、約一ヶ月後の2015年7月26日までが会期です。長い会期の展示はいつか行こうと思っているうちに終わってしまうことも多いし、会期終了してから「よかった!」という記事を読むともっと早く言ってよーみたいな気持ちになることもあるので、思い立ったのでブログ書きました。

上田義彦「A Life with Camera」
会場:Gallery916
住所:東京都港区海岸1-14-24 鈴江第3ビル 6F
会期:2015年4月10日〜2015年7月26日
開館時間:平日 11:00~20:00 土日・祝日 11:00~18:30
定休:月曜日(祝日を除く)
入場料:一般/800円、大学生・シニア(60歳以上)/ 500円、高校生/ 300円、中学生以下/ 無料

webで読んで印象的なテキストを引用させていただきます。

家族って、怠けて、撮らないでいたら
いくらでも撮らないでおけるんですよ。
だって、日常ですからね。
常に「撮り逃している」感覚もあるし。
※ほぼ日「写真にドキドキし続けている」からの引用
写真に逢えてとても嬉しい。写真と共に歩む人生を選んで幸運だったと思う。当然当たり前だがいい事ばかりではなかった。だけどもう一度生まれ変わっても写真家になりたいと思う。写真を通して世界と出会い、いろいろな国の素晴らしい人びとと出会った。写真に感謝でいっぱいだ。これからも生きている限りもっともっと写真を撮ろうと若い頃の私の眼差しを見てそう思う。
※上田義彦「A Life with Camera」からの引用


あんなに沢山撮られていらっしゃる上田義彦さんが「もっともっと写真を撮ろう」なんておっしゃているのだから、私ももっともっと写真を撮りたい。

looking for

撮っておいてよかったなと思う写真が私には沢山あって、それはとても幸せなことなんだろう。

↑ページトップへ